「実例に学ぶ。明日からの人事が変わる。」をコンセプトに、人材の採用~活躍・定着に関する最新事例・ノウハウに触れられるエン・ジャパン主催のイベント『Discover HR』。今年度は「人的資本経営」をテーマに開催しています。(人的資本経営とは、人材を資本とみなし人材価値を最大限に活かすことで企業価値を高める経営手法。)
株式会社コロプラでCFO(最高財務責任者)とCHRO(最高人事責任者)を兼任されている原井さんに登壇いただき、同社での「人的資本経営」のお取り組みについてお話しいただきました。まず何から取り組めばいいのかなど、ヒントがたくさん詰まっています。必見です!
「経営」を担うCxOの仕事とは?
結論、企業価値を高めることです。では、どのように高めていくか。それは「ビジョンを語る」→「資本を集める」→「資本を活躍させる」→「説明責任を果たす」という、4つのプロセスを繰り返し行うことです。この4つのプロセスこそ、まさに資本経営だと考えます。
簡単なことではありませんが、連携には双方にメリットもたくさんあります。
CFOへのメリット
- 競争力の源泉である人材戦略を明確にできる
- 非財務情報、SDGsなど関心が高まる分野の説明の質が高まる
- 社外に対して財務と非財務を統合した報告が可能になる
CHROへのメリット
- CFOのビジョンや戦略を理解・活用することで効率的・効果的に資本を集められる
- CFOが持つ定量的なデータ・ノウハウを活用することで、社外に説得力のある施策の提案・実行が可能となる
- 社内に対して、全社横断での発信や施策の実行が可能となる
コロプラでの連携事例 -フィロソフィーの発信・浸透-
CFOとCHROの役割を連携させることで、新たにフィロソフィーをつくった事例があります。
そもそものきっかけが、財務情報と非財務情報に課題が見えてきたことでした。新たなコンテンツの開発に挑戦し、どんどん発信していくことを経営戦略として掲げていましたが、従業員サーベイの「挑戦」の数値がかなり低く出てしまいました。これまで大切にしてきた価値観なので、乖離していることには衝撃を受けましたね。当時、5年ほどで500名から1000名規模に拡大していた時期で、当社のフィロソフィーの浸透が難しくなってきたことも一つの要因かと思います。
そこで、CFOとCHROが連携し全社を巻き込みながら、フィロソフィーの見直し、発信、浸透を行っていきました。
具体的に実施したことをお伝えします。
-ビジョンの議論
年1回の役員合宿を活用し、社外取締役を巻き込みながら推進していきました。CFOのノウハウや活用している枠組みを用いることで、闊達な議論ができたかと思います。
-フィロソフィーの見直し
これまでIRで説明していた経営理念をベースに、より発信・浸透しやすいように見直しました。従来の理念について従業員にヒアリングし、何が理解できていて、何が伝わりにくいかを把握することで、かなり効率的に再定義することができました。
-フィロソフィーの浸透
人事だけでなく、全社を巻き込みフィロソフィー浸透の施策をやってきました。例えば、役員からの説明動画をつくったり、総務部門で自販機へのラッピングをしたり、情報システム部門にSlackのスタンプをつくってもらったり…、部署横断でさまざまな取り組みをしています。
CFOもCHROも資本の経営を通して企業価値を高める
CFOもCHROも扱う資本や向き合う市場が違うだけで、本質は同じです。そのため、お互いに連携することで、より効果的に企業価値を高めることができると考えます。いま注目の人的資本経営ですが、「人的」だから人事だけの仕事とは捉えずに、CFOや全社を巻き込みながら取り組んでいただければと思います。
人材の活躍・定着、ひいては企業の成長に向けて注目されている人的資本経営。「自社でも取り組みたいけど、何から始めればいいのか分からない…」そんな声もお聞きします。まずは定量・定性で自社の課題を見つけだし、全社を巻き込みながら解決に向けて取り組む。人的資本経営の一歩目としてのヒントが詰まった事例でした。
人的資本経営のためにエン・ジャパンができること
エン・ジャパンでは、人的資本経営に役立つタレントマネジメントシステム『Talent Viewer(タレントビューアー)』をご提供しています。さまざまな人材の現状、人事課題を可視化することができます。お気軽にお問い合わせください。