退職者5割減のカギは2つのデータ 社員の強み弱みとコンディションの可視化、活用方法とは?

2007年に教育事業が独立し誕生、現在『ITTO個別指導学院』59校舎を運営している株式会社大洋土地 i。

関西及び関東での教室展開を加速させていくなかで起きていた離職を、適性検査「Talent Analytics」パルスサーベイ「HR OnBoard NEXT」を活用し劇的に改善させました。その取り組みと成果について、取締役の岡田さんにお話を伺いました。

抱えていた課題

2020年から、これから活躍を期待している2-3年目の社員の離職が目立ち始めました。

学習塾はサービス業です。人材の安定・成長は事業の成長に切っても切り離せません。そのなかで離職が出るのは致命的な問題です。加えて、受験を控えたお子さまをお預かりするという観点でも、講師が途中で抜けてしまうことは、少なからず影響を与えてしまいます。

これらの背景から、既存社員の離職をすぐにでも解決しなければなりませんでした。しかし一体何がおきているのか。雲をつかむような状況でかなり悩みました。そこで、まずは現状把握することから考え始めました。

どのように取り組んでいったか

適性検査を活用した強み弱みの可視化と共通認識化

まず、採用活動で活用している適性検査「Talent Analytics(TA)」を全社員に受検してもらうことにしました。

TAなら「ストレス耐性」「キャリアタイプ指向性」「性格特性」などを可視化できるので、どのような価値観をもった人材が活躍しているのか、退職しているのか、傾向が把握できると考えたのです。

これは当社にとって非常に良い機会でした。というのも、年3回設けている個別面談のタイミングで受検結果を1人1人に返却しコミュニケーションをとったことで、各社員の強み・弱みの共通認識を持つことができたためです。

これにより、苦手な業務がある際にはサポートができ、強みを活かした新たなチャレンジの機会を作っていくことができるようになりました。

よりライトに社員のコンディション変化をキャッチする

それから、日々のコンディション変化をより気軽にキャッチする方法がないかを探しました。エン転職経由で入社をした方が無料で利用できる、入社者向けのパルスサーベイ「HR OnBoard」をうまく活用できないか、担当営業の方にご相談したところ、既存社員向けの「HR OnBoard NEXT」をご紹介いただきました。

HR OnBoard NEXTを通じてわかったこと

社員は月に一度、5つの簡単な質問とフリーコメントでアンケートに回答します。概ね満足度の高い回答が多かったですが、中には正面から受け止めるには覚悟のいるような声もありました。しかし、耳の痛いことを言ってくれるからこそ、その意見を大事にしようと思えました。

「成長」「人間関係」の醸成がキモ

HR OnBoard NEXTの結果をみると「人間関係」や「成長」に関する質問に対してネガティブな回答が目立ちました。

当社は事業所の数が多く、1教室に正社員が1名、あとはアルバイトで運営をしています。どうしても評価・称賛の機会が少なく自分がやってきたことを実感しにくい、孤独を感じやすい環境である・・・ということがデータとして現れました。

具体的にどのメンバーが特に不安に思っているかをとらえることができましたので解決の次の一手が非常に打ちやすくなりました。

管理職に匿名のデータをシェアし育成に活用

管理職であるチームリーダーに対して匿名でHR OnBoard NEXTの回答結果を見せました。

何がいま会社の課題になっているのか、担当のブロックエリアの課題は何かを共有したことで、各管理職からメッシュの細かいフォローができるようになりました。

退職者数が劇的に減少

 全社会議資料より

取り組みの結果、2020年には17名ほどだった退職者が、2022年度には9名まで減少しました。そのうち1年以内の早期離職者も3名ほどに抑えられています。

毎年社員数が増えている中で退職者の絶対数が下がってきていますので、劇的なダウンであるととらえています。
離職が離職を呼ぶ、負の連鎖を断ち切ることができたことは非常に大きな成果です。

耳の痛い声でも1つ1つ真摯に向き合い、改善を行動で示されてきた岡田さん。

その結果が翌月のコンディション数値に現れ、結果として大幅な離職率の改善へとつながりました。
「本音で回答すれば、会社が応えてくれる」という信頼関係が、また従業員エンゲージメントの向上につながる、良いサイクルを生んでいるのではないでしょうか。

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