こんにちは、小山内です。エン・ジャパン株式会社(以下、エン)で求人広告営業→新卒採用人事を経験し、現在は人材活躍支援事業部でセールスを担当しています。 今回も、私が人事として得た知見やインタビューした内容などを記事にしていきます。
生産性向上や競争力の強化、また社員自身のキャリアアップや離職防止の観点から、人材の異動・配置への関心が高まっています。実は先日の記事でも人事異動・人材配置のポイントについて投稿しました。
というのも、エン・ジャパン(以下エン)では、「どこでも活躍できる人材」の育成を掲げ、社内公募や辞令を含め、組織編制での異動経験者は全体の50%を超えます。そんなエンがどのように異動前後の施策をしているのか、エンが行う「社内公募制度」と「異動時のフォロー施策」についてご紹介します。
エン・ジャパンの社内公募
社内公募を行う「目的」
エンでは”CareerSelectability®”という言葉を掲げており、社員には自らキャリアを切り拓ける人材になってほしいと成長を支援しています。その一環として、社内でのキャリアを切り拓くために自己申告制の異動制度=社内公募制度を設けています。
会社としても、「戦略的に強めたい部門」と「活躍の場を拡げたい社員」をマッチングできることから、定期的に公募を実施し、辞令以外でも流動性を高めています。
どのように運営しているか
実施は半期ごとの変わり目で年1~2回。流れは下記です。
①人事から各部門へのヒアリング
②集約して社内への広報
③社内合同説明会の実施
④部門での面談、(応募者多数の場合)選考
⑤異動時期の確定
効果・成果
社内公募経由で異動することにより、会社・社員それぞれに好影響をもたらしています。
会社:活躍社員のリテンション
部門だけでなく全社視点で働き続けてくれる社員の増加
社員:キャリアの停滞感からの脱却
次のステップとして他の部門にもチャレンジできるという心理的安全性の確保
異動時のフォロー施策
エンでは社内異動≒転職と考えており、組織的なオンボーディングも実施しています。
異動検討時:マンネリ化の察知
パルスサーベイによる社員のコンディション観測:自社で販売もしているパルスサーベイ(HR OnBoard)から社員のコンディション変化を定点で観測。コンディションが変わるようであれば、人事側から面談を打診。
年1回の自己申告アンケート:異動希望度合い(今すぐしたいのか、向こう数年の話なのか)や今後のキャリアイメージを申告してもらい、明確な希望がある場合には社内で実現できないか面談で確認。
異動前:異動後への期待の伝え方
会社としての戦略・期待を伝える
本人の希望の有無にかかわらず、会社視点で何を目的とした異動であるかを伝えることが重要という考えを持っています。期待している社員にこそ、将来的にどのポジションについてほしいのか、今回の異動にどのような意図があるのかを伝えることが効果的です。
これまでのキャリアとの繋がり・キャリアの広がりを伝える
別の部門への異動や職種転換は、少なからず本人にストレッチがかかります。辞令で異動となる場合、前向きに受け止めてもらうためには、伝え方が重要です。
特に注意すべきなのは具体性です。「とにかく君が必要なんだ!」と熱意ばかりを伝えても、社員は具体性を感じられずさめざめとした気持ちになりかねません。「今まで培ったスキルがどの業務に対してどのように活かせるのか」をできるだけ具体的に伝えることで、異動への納得度を高めています。
異動後:組織へのオンボーディング
オンボーディングに特化したパルスサーベイ
エンでは異動者向けに独自のアンケートを実施しています。思い描いていた仕事内容や環境にギャップがないか・組織に馴染めているのかなど毎月の設問を変えることで、異動後数か月間のコンディションの変化をつぶさに確認します。
組織内での期待の伝達
異動者が感じる「周囲からの“お手並み拝見”されている感」や「早く成果を出さなきゃ感」に対して、どのくらいのペースで・どのような活躍を期待するのかなど、異動したことへの心理的不安を払拭しています。
適性検査を使った相互理解
配属先の組織やチームなど、相互理解の共通言語・関係構築のための補助ツールとして適性検査を導入しています。適性検査で性格・価値観を可視化し、お互いに強み弱みを共有することで、仕事上でカバーし合えるのか・マネジメントのスタイルなどすり合わせをしています。
歓迎ランチ
少しウェットかもしれませんが、メンバー同士や上司を含め仕事時間以外のランチなどを設定することが多いです。狙いはネットワークの形成です。異動当初は見知った人が少なく不安なもの。適切に他者を頼れなければ、異動者自身も本来のポテンシャルを活かせません。仕事をする上で「誰が何の情報を持っているのか」「用件によって誰を頼るべきか」など、コミュニティの中で動きやすい状態を築きます。
まとめ
エン・ジャパンではキャリア開発に力を入れていますが、組織に馴染むためのオンボーディングは、それに負けないくらい力を入れています。
自分たちが実際に活用し、自信をもって提案ができるプロダクトを作る「実験会社」として、アセスメントなど様々な施策を実施しています。今後も、自社事例を沢山お届けさせてください。
エン・ジャパンでご支援できること
エン・ジャパンでは、社員のコンディションを把握するHR Onboard NEXTを開発しています。導入企業の事例や具体的なお取組みなど、詳細が気になる方はぜひお問い合わせくださいませ。