昨今、世界的に注目されている「人的資本経営」。人材を資本と捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です。外部環境の変化に対応し企業価値を高めるためには、投資対象となる人材をいかに獲得できるかがカギになります。
本日は、人材獲得をする上でおさえておきたい「求める人物像」について、策定するメリットとその方法を解説します。
目次
- 「求める人物像」とは
- 求める人物像を策定するメリット
- 求める人物像を策定する方法
- エン・ジャパンで支援できること
「求める人物像」とは
事業運営に必要な人材を獲得するために、必要な能力や要件を整理した採用基準・ロールモデルのことです。求める人物像を具体的に設定することで、様々なメリットをもたらします。
求める人物像を策定するメリット
採用活動が円滑に進みやすくなる
求める人物像を言語化することができれば、選考に関わる従業員に採用の方向性を共有しやすくなります。どのような人材を採用すべきか、お互いに共通認識を持つことが出来るため、面接者によって応募者を評価するポイントが異なり合否の判断が曖昧になったり、人事としてぜひ採用したい人材を最終面接官が思わぬ観点から不採用にしたり、といった事態を減らすことができます。
入社後のミスマッチや離職を防げる
自社に適性のある人材の定義がなければ、採用選考はより属人的に、面接官の主観で決まっていくことになります。面接官の勘や経験、好き嫌いなど主観のみで判断をしてしまうと、入社後に思ったより活躍しなかったり、早期に離職してしまったりするかもしれません。自社に合う人材の基準を定めておくことで、これらのリスクを減らすことに繋がります。
求める人物像を策定する方法
それでは、求める人物像はどのように策定すればいいのでしょうか。ポイントを2つお伝えします。
POINT1 事前の情報収集
まずは、検討に必要な情報を収集するところから始めましょう。
- 自社の経営計画、事業計画との連携
あらためて自社の経営戦略や事業計画を確認し、今後中長期で必要となるポジションを洗い出します。
- 自社のミッション、ビジョンと働き方の実態
最近では、自社の存在価値ともいえるミッション・ビジョン・バリューを設定する企業が増えています。これらを実現することができる人材はどのような価値観を持っているのか、ブレストし整理しておきましょう。
- 短期、中長期的で任せる業務内容から検討する
特に新卒入社者の場合は、入社後すぐに担当させる業務の遂行に欠かせない要件から考えましょう。そして、将来的に配置したい部署やポジション、役職に紐づいた要件を予測してみましょう。
- 従業員を分析する
自社で働く従業員のデータを集め、どのような傾向を持っているか分析してみましょう。これまでの経歴や業務経験、保有資格やスキル、適性検査の結果など、定量データをもとに共通している要素をまとめておきます。
- 現場に確認する
実際にどのような人材が求められているのかは現場に聞くのが一番です。但しオーバースペックになる傾向があるので、現場の要望はすべて吸い上げるのではなく、MUST/WANTに整理をしておき、不必要な要件は削除する作業も必要になります。
POINT2 人物像の設計
POINT1で情報収集をしたあとは、それらをもとに具体的な人物像を練り上げていきます。事前に得た情報から、人材に求める要素を洗い出していきます。
求める人物像の要素例
1. 能力
知的能力、思考力、コミュニケーション能力など
2. スキル
専門性、技能知識、保有資格など
3. 経験
対人折衝、企画、研究、留学経験など
4. 属性
性別、年齢、地域など
5. 社会的合成
指向、価値観、正確、社風との合致など
6. 勤務条件
給与、勤務時間、勤務地など
できるだけ綿密に、要素ごとにどのような条件が必要か洗い出していきます。好業績をあげている現社員の要件や、適性テスト・アセスメントツールなども活用し、将来的な展望に沿って自社に必要な人材要件を洗い出し、検討していきましょう。
エン・ジャパンでご支援できること
エン・ジャパンは約40年間、採用・教育・評価の領域で企業の課題解決を支援してきました。この知見を活かし、タレントマネジメントシステム「タレントビューアー」を提供しています。
タレントビューアーは、株式会社プラスアルファコンサルティングのTalent Pallet(タレントパレット)の多機能なシステムと、エン・ジャパンが約40年間人事領域で培った人事課題を解決するサポートを組み合わせた、タレントマネジメントシステムです。
今いる従業員の人事データを分析し、活躍人材に共通する要素を洗い出すことで、求める人物像の策定に活かすことができます。
ぜひ一度サービスサイトをご覧ください。