内定辞退の要因と対策

内定辞退の要因と対策

内定辞退は、多くの企業の悩みの種となっています。企業は影響を最小限に抑えるために、自社における内定辞退の理由を明らかにし、対策を講じる必要があります。この記事では、内定辞退の背後にある要因と候補者が他社を選ぶ代表的な理由、内定辞退を防止するための取り組み例を解説します。

目次

内定辞退の発生率

株式会社リクルート 就職みらい研究所が公表した「就職プロセス調査(2023年卒)『2023年3月度(卒業時点)内定状況』」によると、2023年新卒の内定辞退率は、3月卒業時点で65.8%でした。内定を出しても辞退される確率が高いいま、「どのように内定者を繋ぎ止めるか」内定者フォローに力を入れる企業が増えています。

出典:株式会社リクルート 就職みらい研究所
就職プロセス調査(2023年卒)『2023年3月度(卒業時点)内定状況』p3」

内定辞退の背後にある要因

1. 採用市況の変動性

採用市況は常に変動しており、内定者が他社の魅力的な内定を受けて辞退してしまう可能性は年々高まっています。

2. コミュニケーション不足

内定辞退は、企業と内定者のコミュニケーション不足から生じることがあります。企業とのコミュニケーションが不足すると内定者は必要十分な情報を受け取れず、不安や疑念がつのり、入社意思を固めきれない場合があります。

3. 個人的な理由を優先する

内定者が個人的な状況や理由を優先してしまうことは往々にしてあります。家庭の事情や家族からの反対、健康面の理由が内定辞退に繋がることがあります。

候補者が他の企業を選ぶ代表的な理由

内定辞退が頻繁に発生する企業には、特定の特徴がみられることがあります。これらの特徴を理解し、対策を講じることが内定辞退防止のカギとなります。

1. 選考プロセスの長期化

市場全体で内定の早期化が進む中で、内定が出てから実際の入社までの期間が長くなることで、内定辞退のリスクが高まっています。内定者は他の企業との選考を進めており、時間が経過することで別のオファーを受ける可能性が高まります。企業は、選考プロセスをスムーズに進め、内定後から内定者フォロー・研修への待機期間を短縮することが大切です。

2. 労働条件が魅力的ではない

内定辞退が多い企業は、競合他社と比べて労働条件が魅力的でないことがあります。給与や福利厚生、キャリアパスなど、内定者にとって魅力的な条件を提示できないと、内定辞退のリスクは高まります。企業は市場を分析した上で、他社と比べた自社の魅力を分析し、内定者に伝えて魅力づけを行う必要があります。

3. 内定者へのフォローアップ不足

内定後のフォローアップは、内定者の意思決定をサポートする重要なステップとなります。特に新卒採用は内定出しの時期が早くなっており、入社まで期間が空いてしまうので、積極的にフォローを行いましょう。企業が内定者との関係を築き、サポート体制を整えることで、内定者の不安を払拭し内定辞退を防ぐだけでなく、入社後のスムーズな適応に繋がります。

内定後の辞退理由

出典:人事のミカタ「辞退の心理 [2020年版]」

内定辞退を防止するための取り組み例

内定辞退を防止するために有効な取り組み例をご紹介します。

1.コミュニケーションを強化する

内定者に対して、企業文化や価値観、期待される業務内容などを詳細に説明し、内定者が入社前にしっかりと理解できるように努めましょう。内定者に対して積極的に質問セッションを設け、彼らの疑念や質問に対して回答することも大切です。内定者が不安を感じないようにサポートすることで、良好な関係を築くことができるでしょう。

2.キャリア開発の機会を設ける

内定者がスキルを向上させ、キャリアを発展させるための機会を設けましょう。内定者が成長への期待を感じ、企業へのコミットメントが高まります。内定者に対して明確なキャリアパスを提示することも有効です。入社後の成長や昇進の機会について透明性を高めることで、内定者は将来への期待感を持ちやすくなります。

3.企業文化への理解を促す

企業の魅力や働きやすさを内定者にアピールしましょう。企業文化を体感できるような社内イベントや、実際の社員の経験や成功事例を共有する交流会・面談の場などを設定することが効果的です。社員との交流を通じて、内定者は組織の一員としての帰属意識を高めることができます。

4.労働条件に柔軟性をもたせる

内定者が柔軟な働き方を選択できるよう、リモートワークやフレックスタイム制、週の労働時間の調整などの選択肢を準備しましょう。働き方が多様化する時代において、個々の状況に合わせた柔軟性を持つことで、内定辞退率を低減させることに繋がります。また、休暇制度やストレスへのサポート体制など、整った労働環境をアピールすることで内定者の安心感を向上させることに繋がります。

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エン・ジャパンでは、採用選考の見極めだけではなく、内定者とのコミュニケーションにも活用できる適性検査「Talent Analytics(タレントアナリティクス)」を提供しています。1987年から約40年の歴史を持ち、導入企業数は21,000社を突破。新卒・中途採用、内定者同士のグループワークや入社後の育成など、幅広い用途でご活用いただいています。

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