「期待していた社員が突然辞めてしまった・・・」
「離職防止に取り組みたくても、何をすべきかわからない・・・」
このようなお声を聞くことが増えました。
そこで今回は、離職率を改善するためのポイントをチェック形式でまとめました。ぜひお役立てください。
離職による損失とは
まず、従業員が離職すると企業にどのような損失をもたらすのでしょうか。人材の流出による損失は、大きく以下の3つです。
1.活躍人材の喪失
人材が流出してしまうと、人事計画や組織構成にひずみが出ます。仮に将来の幹部候補とされる活躍人材が退職してしまった場合は、中長期的に大きなダメージになります。
2.財務的な損失
社員が一人退職をすると、その方の年収の93~200%の損失が出ると言われています。仮に年収500万円の人材が離職してしまった場合の損失額は、465~1000万円とかなり高額です。活躍している人材であればあるほど、この損失は大きくなります。
3.他の社員のモチベーション低下
1人でも退職者が出ると、業務の引継ぎなどで残った従業員の業務負担は増加し、パフォーマンスは下がります。また、人材が定着しない会社となれば、他の社員は「うちの会社、ずっといても大丈夫だろうか」「長く働く会社じゃないな」などと勘繰り、連鎖退職を引き起こしてしまう可能性があります。
早期離職による損失より、入社2年目以降の既存社員が離職することによる損失のほうが大きいと言われています。
離職改善のためのチェックポイント
1.退職要因の分析
□ 年次・階層・部署ごとの退職数を、定量で把握・分析できている
□ 年次・階層・部署ごとの退職理由を、定性で把握・分析できている
□ 退職意向の際、誰がどのように対応したかを記録し分析できている
(良し悪し含め)
人材が退職したときには、「誰が」「いつ」「どのような理由で」退職したのか、必ず記録しておきましょう。その方の属性や在籍部署、入社からの経過年数や異動歴など、定量・定性問わずできるだけ多くの情報を集めて記録しておきます。
定期的に退職者分析を行い、自社の採用活動やオンボーディング、人事面談などの施策に活かしていきましょう。
2.損失の可視化
□ 退職者1人につき、その補充にかかるコストを試算できている
□ 職種ごとの採用難易度(コスト含め)を把握している
□ 経営層や部門長に、離職による損失(コスト含め)を伝えられている
従業員の離職によって企業にもたらされる財務的な損失を「離職損失金」と言います。退職者が1名出た場合に経営に与える損失はどのくらいか、採用難易度もあわせて試算しておきましょう。離職損失金には採用経費だけでなく、受け入れ時の教育工数や現場のマネジメントコストも含みます。
組織改革や新しい施策の検討をするには経営層や現場の協力は不可欠です。その際に「離職率を○%改善できれば、○○円のコスト削減ができる」と具体的に伝えられるよう、可視化・数値化しておきましょう。
3.社員の状態把握
□ 労務や人事に、社員が気軽に問合せできる相談窓口を設置している
□ 評価面談以外に、上司との定期的な面談機会がある(1on1等)
□ 人事など第三者的立場の方が、社員のコンディションを把握し、
適切にフォローする環境を作っている(パルスサーベイの実施等)
「つい先日までやる気に満ち溢れていた社員が、突然退職意向を切り出した」など、日々移り変わる社員のコンディション。仕事やプライベートに関する悩みを一人で抱え込んでしまったり、誰にも相談できずに密かに転職活動を進めていた、という場合もあります。
一緒に働くメンバーには相談しづらいこともあるため、できれば人事や労務など業務と直接関わりのない立場の方が、定期的に状態を把握し、コンディションの変化を察知できるようにしておきましょう。
エン・ジャパンでご支援できること
エン・ジャパンでは、社員一人ひとりの離職リスクやモチベーションの阻害要因を可視化するWEBツール『HR OnBoard』『HR OnBoard NEXT』を提供しています。毎月のアンケート結果から従業員のコンディションを3段階で判定。判定理由とフォローアドバイスとともに、企業のリテンション・マネジメントを支援します。
離職を課題に感じていらっしゃる方は、ぜひエン・ジャパンにお問い合わせください。