こんにちは、小山内です。エン・ジャパン株式会社(以下、エン)で求人広告営業→新卒採用人事を経験し、現在は人材活躍支援事業部でセールスを担当しています。
社員のコンディションチェックとして年々注目を集めるパルスサーベイ。回答を集めるだけでなく、その後のフォローアップ(≒処方箋)を行うことで、初めて対象社員に対して効果を発揮します。
そこで今回は、「パルスサーベイでよく挙がる声とその処方箋」というテーマで記載していきます。まだ導入していないという方は社員のどのような声が拾えるのか、既に導入している方はどのようなフォローを実施できるのか、参考になれば幸いです。
そもそもパルスサーベイとは?
改めてパルスサーベイとはどのようなものか、調べてみました。
パルスサーベイの語源は「脈拍(pulse)」に由来し、短期間で調査を行うことで社員や現場の変化を迅速に把握するためのツールです。パルスサーベイ自体は2000年代からその概念があったようですが、コロナ禍の到来によるリモートワークの普及、クラウド型のサービスの登場により社会に浸透しています。
今回の記事では、エン・ジャパンもユーザーとして利用しているパルスサーベイツール「HR OnBoard」においてアンケ―ト対象者からどのような声が挙がっているのか、どのようなフォローをしているのかをお伝えします。
HR OnBoardは、入社1年以内の対象に特化したサーベイで、月に1度コンディションを測定するものです。エン社内でも入社1年以内の社員に対しては、特に重点的にフォローアップを行っています。
HR OnBoardでよくあるお悩みとその処方箋
では、実際にどのような声が挙がっているのか紹介していきます。
周りが忙しそうで質問しづらい
入社早期に挙がる声として多いのは、「質問できない」こと。
その理由としては、「相手に気を使って遠慮してしまう」「できないと評価されたくない」のいずれかになることが多いです。
人事に相談される中でお伝えしているのは「あなたがそう思っていることを上長に相談できていますか?」です。
「質問をすることに対して気が引ける気持ちはわかります。でも、質問をしてもらえると実はこちらもすごく助かるんだよ。疑問を解消することで、業務の質を上げられるし。みんなにとってプラスと思って、気軽に質問してね!」など、本人側の認識を変えてもらう支援を行うことで、上司への相談への抵抗感を軽減していきます。
上司が自分に対して冷たく感じる
社会人になりたての新卒の方で多い意見です。
上司からするとただ仕事を進めたいだけなのに、関係構築を重んじる新入社員からすると冷たく映りやすいようです。
感じ方はあくまで主観なので、「そのように捉えているんですね。」と受け止めつつ、そのことを上司に伝えられているかを確認します。
基本的に上司側には「気まずくて言えていない…」などコミュニケーション自体が不足していることが多いです。この場合には、社員に対して、「率直に気持ちを伝えるための時間を設定しませんか」などと働きかけ、上司に対して思っていることを吐き出す時間を設定してもらいます。
同時に、上司側に対しても働きかけをおこないます。
悩みが挙がった社員の直上司に伝えるのではなく、あえて上司陣全体に、「上司部下間の接し方に悩みが生じやすい時期です」「部下からコミュニケーションを取る時間が設定されると思います」、など事前予告のような形で注意喚起ができると組織としてもフォローアップがしやすくなります。
仕事が終わらない・・・
ある程度仕事に慣れ始める、入社半年以降に挙がりがちな声です。
もし本人のキャパシティを超えた状態が続き、うまく乗り越えられなければ、心身のコンディションを大きく崩してしまうリスクがあります。できる限りフォローしたい例です。
仕事が終わらないと悩む社員の多くは、業務の整理や優先順位づけに少し苦労しているのかもしれません。
試しに「今日の残りの仕事は何ですか?」「一番ボリュームのある業務は何ですか?」と問いかけると、必ずと言っていいほど「えーと・・・」と明確な回答が返ってきません。
優先順位がつけられておらず、「あれもこれもやらなきゃ!その前にあれとこれと・・・」と、脳内の容量を逼迫していることが要因であるため、テクニカルな部分ですがタスク管理の考え方を伝えていくのがコンディション改善のための策の1つです。
一方で、そもそも新入社員が抱えきれないボリューム/レベルの業務を抱えているようであれば、悩みを抱える対象社員に対し、現場上長にも情報連携して良いか確認します。そのうえで、人事からも現場へ業務分配が可能かどうかの相談をしていきましょう。
まとめ
人事は、現場の上長ではない第三者だからこそ率直な悩みや声を拾い上げることができます。その際、パルスサーベイは社員のコンディションを測ることができる便利なツールですが、その後のフォローなくして良い影響には繋げられないもの。
特にモチベーションの移ろいやすい社員に対して軌道修正を行えるのは、悩みの声を拾った方だけです。前述のような声が事前に察知できることで、離職に繋がる前に社員のモチベーションを軌道に乗せ直すことができます。
また、その年に多かった入社者の悩みや戸惑いを、次の年の採用基準や入社時研修への還元していくことができます。日々のフォローと採用活動や受け入れの見直し。この繰り返しによって、社員がより生き生きと働くことのできる環境が実現できるのではないでしょうか。
エン・ジャパンでご支援できること
いかがでしたでしょうか。
エン・ジャパンでは、社員のコンディションをキャッチするサービスをご用意しています。導入事例や具体的な取り組みはもちろん、「何から始めればいいかわからない」といったご相談も歓迎です。詳細が気になる方は、ぜひお問合せくださいませ。