金属加工業を中心とした「ものづくりのまち」として知られる新潟県三条市。今年から新たに社会人採用を開始するにあたり適性検査『タレントアナリティクス』をご導入いただきました。
働き方改革の推進をはじめとした市役所内のあらゆる人事業務を担う松平さん・市橋さんにお話しを伺いました。
社会人採用の背景と狙いを教えてください。
ここ数年で人材の確保が急激に困難になってきていると感じています。これまでは新規学卒者を中心に採用を行ってきましたが、なかなかそれだけでは必要数の確保が難しい現状です。
また、VUCA時代と言われて久しい昨今。正解がなくトライアンドエラーができる人材を求めていく必要があります。今は、決められた段取りで進めるやり方から、自ら考えて動くことが求められるようになってきています。
そういった背景を受け、今年度から社会人採用のやり方を見直しました。人材確保という面もありますが、組織の持続可能性を考えたときに「外の視点」を入れ、それにより職員の刺激になるのでは、という期待もありました。
組織を活性化させる人材を採用するために、採用のあり方は新卒と変えなければならない・・・と議論をし始めました。
タレントアナリティクスへの決め手は何ですか。
どのような適性検査が良いか検討するにあたり、様々なサービスを調べました。そのうえでタレントアナリティクスを導入した決め手は大きく3点あります。
1・受検者への負担が少ないこと
実は新卒採用では別の検査を利用していました。その検査には基礎能力検査があるのですが、社会人採用者に対し基礎能力の検査が必要かは疑問でした。また、長時間の試験がハードルとなり選考の歩留まりに影響する懸念もありました。
その点、タレントアナリティクスは学校名や入試偏差値に依存しない、ビジネスに必要な“地頭”の部分を計測することができます。 そして35分の短時間で知的能力と性格価値観の両方を検査することができるため、我々のニーズに合致していました。
2・求める人材を採用基準にできること
当初から、理想の人材像を掲げて採用をしていこうと考えていました。
そこでまず、市長に「求める人財可視化サーベイ」を受検してもらい、その結果をベースに重視項目を洗い出し、可視化、数値化することで共通認識を持ちました。
そして、試しに複数の部署の職員に受検してもらい結果を確認し、自分たちが日ごろその職員と接するときの感覚と大きなズレがなかったことから、安心してお任せできると判断しました。
3・他自治体の活用実績
市役所としての取り組みなどを参考にさせていただいている自治体へ視察に伺った際に、タレントアナリティクスをどのように採用活動に組み込んでいるか情報共有をいただいたことも決め手になりました。官公庁や自治体に活用実績があることは、サービスの導入を進めるうえで非常に信頼できるポイントです。
実際にタレントアナリティクスを活用してみていかがですか。
応募者にタレントアナリティクスを受検いただいたのですが、実は、我々が思い描いていたタイプの方からは、応募いただくことができませんでした。
市長の求める人財可視化サーベイの結果も踏まえ、「セルフスターター」を求めていましたが、実際には「フォロワー」「カメレオン」タイプの方ばかりでした。
思えば、今回募集したタイミングでは「我々が求めているターゲット像」を具体的に打ち出せていませんでした。そのためか、いわゆる従来の「役所」をイメージされた方の応募が多かったのではないかと振り返っています。
これがわかったことで、採用選考だけでなく採用ブランディング・自治体ブランディングの必要性を感じ、着手するきっかけとなりました。
求める人物像をただ押し出すのではなく、「組織全体でこのような動きをしていて、あなたが入ると、このような経験を積むことができます」
といったことを発信していけると良いのではないかと考えるようになりました。
これらの具現化に向けて、6月から三条市役所組織改革プロジェクト「プロジェクト シンカ」を始動しました。
職員が市民に向けて高いパフォーマンスを発揮することを目的とし、組織をアップデートして、時代に対応できる市役所として市民と向き合い学習する組織への変革を促進していきます。
※プロジェクト シンカについて https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000109.000082466.html
今後について教えてください。
自治体の採用試験は、前期後期で分けているのですが、やはりタイミングが合わないと優秀な人材を採用できない可能性があると思っています。
優秀な人材がいたら短いスパンで試験をし、その方の希望を聞き素早く採用につなげられるようにしていきたいです。現在は、実現できるよう運用体制を検討中です。
また、必要な人材数の確保はもちろんのこと、外の視点を持ち主体性を発揮できる方を仲間に迎えたいです。
それを見極めるツールとして今後もタレントアナリティクスを活用していきたいと思っています。
「市長の求める人物像がトガっていたので、採用基準が作りやすかったんです」と話す松平さんと市橋さん。これまでの市役所のあり方からいち早く脱却し、大変ながらもワクワクするような挑戦を考えていらっしゃるお二人の姿が印象的でした。今後新たな仲間と共に組織をアップデートしていく、三条市の“シンカ”に注目です。
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