「焼鳥屋で世の中を明るくする」という理念のもと、全国に「鳥貴族」を615店舗(2021年8月末現在)展開する、株式会社鳥貴族ホールディングス。2018年からHR OnBoardを導入。入社半年後の離職率を大幅に改善されました。
活用の秘訣を人財部人財開発課の久保山さん、久保さん、打和さんにお伺いしました。
HR OnBoard 導入のきっかけを教えてください
「感覚」「主観」…属人的なフォローからの脱却
ー久保山さん
数年前まで「入社から1年以内での早期離職」が多かったんです。採用しても早期に辞めていく人がいる。極端なことを言えばバケツに水をじゃぶじゃぶ入れているが、穴があいているーそんな状態でした。
手を尽くしても辞めてしまうのであれば仕方がない。ならば手を尽してみよう。そう考え、まずは面接を担当した採用担当者自身が新入社員が配属された各店舗を入社後1か月前後のタイミングで訪問し、声かけしていくことから手を打ち始めました。それまでは、不定期での店舗への訪問しかしていなかったので、当初は現場の店長からは「何しに来たんですか?」と、やや怪訝に思われることもありました。それでも継続的に訪問して、その訪問時の状況をチームで共有して、フォロー方法を考え、フォローのアクションを実行して、またそれをチームで共有して、ということを地道に続けていました。
一方で、いくらチームで情報を共有してフォロー方法を考えていても、その前提となる訪問時の情報が個人ごとの「感覚」や「主観」といった属人的な判断によるフォローになっているなと感じていました。
- 属人性からの脱却をしたい
- フォローを必要とする人に、的確に手を差し伸べたい
これらが実現できそうだなと思ったのが HR OnBoard でした。
導入の決め手はなんですか?
「何しにきたの?」と言わせない。明確なエビデンスがフォローの後押しに
ー久保山さん
大きくは2点です。
1つ目は、手軽さです。
月に1回、そして、基本は3問のみでチャットのスタンプのような形で回答できることです。例えば毎日とかだと回答する側も負担ですし、我々も毎日は見れない。双方に負担がないことは大きな決め手になりました。
2つ目は、アンケート結果の分かりやすさです。
晴れ/曇り/雨とそれぞれのコンディションが分かりやすく表示されます。結果を見て誰を優先すべきかという順位が付けられるのがいいなと感じました。
そして、大きな声では言いにくいですが、上司としては、部下に何の後ろ盾もなく「とにかく現場行ってこい」って言いにくかったので…HR OnBoard の結果があれば、気後れすることなく現場に行かせられるなと思いました(笑)
ー久保さん、打和さん
裏ではそんな理由もあったんですね(笑)でも、ありがたい!!!
実際に導入してみて、いかがでしたか?
タイムリーな情報連携、的確なフォローで現場との強固な関係を構築
ー久保さん
店舗勤務が始まると人間関係が店舗内で完結していしまい、それ以外のつながりがどうしても薄くなりがちなんですが、誰かに相談できる・見ててもらえるという安心感が醸成できているように感じます。「採用してくれた人がわざわざ自分に会いに来てくれた!」と感謝されることもしばしばあります。
ー打和さん
現場の店長に「一緒に面談してくれないか」と頼られることも出てきました。「何しに来たんですか?」と言われることもあった頃からすると、だいぶ状況が変わったと思います。
ー久保山さん
そうだね!これまでは「辞める」と決まってから人事に連絡が来ていた。でも今は「コンディションに不安な人がいる」と、現場からも声をかけてくれるようになったので、予兆を察知することができるようになったのは大きいね。以前よりも情報連携がタイムリーになり、現場との関係性が強固になったと感じるね。
HR OnBoard の具体的な活用方法を教えてください。
入社半年以内の離職率が15%から7%へ大幅に改善!
ー久保さん
まずは回答してもらわないと意味がありません。
ですので、入社時に「どうしてこのアンケートを実施するのか?」という目的をしっかりと説明します。この入社時の説明は、エンさんに教えてもらった定着・活躍のためのステップ※と合わせて、新しい環境に適応するために、みなさんの状況をアンケートで教えてねということを伝えています。また、上司は見ない(人事のみが確認する)ことも伝えていますので、安心して回答してもらえているんだと思います。
そして、毎月回答期限までに未回答者にリマインドですね。
ー打和さん
接点を持ったらログは残しています。
その上で、関係者で「定着ミーティング」という会議を実施しています。アンケートの結果が「雨」じゃなくてもコンディションに変化があった人はいないか?や、雨→晴れになったのは何があったの?とか。それぞれの活動の中で良かったこと等を言語化しナレッジをシェアしています。
結果的に、導入前には15.3%だった「入社半年以内の離職率(新卒入社者)」が、現在は7.1%まで下げることができたのは成果ですね。
先輩ユーザーからのアドバイス
ー久保山さん
入社1年以内・半年以内といった早期の離職はさらに抑えていきたい。道半ばではありますが、HR OnBoard の結果の定量・定性情報があることによって、人事が店舗に行く理由が明確にできました。「人事がフォローする根拠」を持てるのは大きいですね。我々のような店舗ビジネスでは、どうしても現場⇔本社という構造になってしまいがちです。その潜在的な壁を取り除くために、人事もどんどん動く必要があります。闇雲にではなく目的をもって動くための分かりやすい指標になっていると思います。
HR OnBoard導入前も15%と業界平均より低い離職率を、さらに7%まで改善されている同社。それは、地道な積み重ねで構築した「現場との連携体制」による賜物ではないでしょうか。HR OnBoardが「根拠」として一助になれたことは嬉しい限りです!
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