2001年、製造業向けの人材アウトソーシング事業として発足したジャパンクリエイトグループ。 創業20周年を迎え、新たなパーパス『Jobfullな明日を』と2030年までの中長期計画を策定。その実現に向けた社員活躍の推進、とりわけ次世代幹部・経営層の抜擢と育成について、人事部長の笠原さんに伺いました。
人材ポートフォリオに取り組む目的・背景を教えてください。
次世代を担う経営者の確立が最大の目的です。
今すぐに世代交代する訳ではないですが、取締役の平均年齢が上がってきたこともあり、「ジャパンクリエイトismを持ったリーダーを育てておきたい」という考えが強まってきました。しかし、経営層になり得る人材はいったい何人いるのか。そもそも経営に求められる素養とは何か。主観や感覚での認識はありましたが、明確な数値や根拠は持っていませんでした。
そこで、現状をデータで正しく把握し、適切な施策を打っていきたいと考え、人材ポートフォリオづくりを決めました。
どのように人材ポートフォリオを策定したのでしょうか。
進め方も曖昧だったので、エン・ジャパンに相談しながら、エンの適性テストを活用して進めましたね。その中でも特に、キャリアの指向性を可視化できるのは大きなポイントでした。
具体的には5つのステップで人材ポートフォリオ策定に取り組みました。
1:ペルソナ社員による適性テストの受検
2:テスト結果の共通項を分析
3:ポートフォリオの軸と基準を検討
4:全社員による適性テストの受検
5:候補人材の分析と抽出
当社の取締役は営業出身が多いため、まずは45歳以下の営業ハイパフォーマーに適性テストを受検してもらいました。
共通項として分かったことは4点で、
・「性格特性」の[外向性]が高い。
・「ストレス耐性」の[仕事の負荷量]が高い。
・「エネルギー量」が総じて高い。
・「キャリアタイプ指向性」の[経営幹部][チャレンジャー]が高く、
[安定指向][私生活重視]が低い。
ということです。取締役陣の結果とも一致していたため、これらの共通項をもとにポートフォリオの軸と基準を決めました。
当社では、仕事に対するスタンスが主体的か協調的か、仕事の動機が外向きか内向きかによって、エグゼクティブ、マネージャー、スペシャリスト、オペレーターに分類しています。(オペレーター以外はエネルギー量50以上が前提)
どのような成果がありましたか。
全社員に適性テストを受検してもらい分析してみると、次世代幹部・経営層候補である「エグゼクティブ人材」が想像以上に多いことが分かったんです。意外な人が候補にいたのですが、確認してみると転勤が多く成果を出しにくい環境にいたことが分かりました。営業成績だけでは判断できない候補人材が見つかり、主観と感覚による人事を脱せたと思いました。
今後の取り組みについて教えてください。
パーパスの実現に向けて、四象限それぞれの人材が活躍できる環境づくりを目指したいです。個々が強みを活かし、成果を出し、企業の成長につながる。そんな個別最適な教育体系をつくっていきたいと考えています。そのためにも、「どんな人材」が「どれくらい」いるのかを知れたことは大きな一歩です。
社員の成長を何よりも大切にしているからこそ、主観や感覚頼みの人事から脱却しなくてはいけない。そんな想いのもと、データを活用し人材ポートフォリオ策定や人材育成に取り組まれている事例でした。
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