3人に1人が「DX離職」を検討しているというニュース。ご覧になられた方も多いのではないかと思います。今回は、この「DX離職」とは何か、注目されている要因とその対応策についてご紹介します。
DX離職とは
企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化が進まないことによって、人材が企業から離れていく現象を指します。今やあらゆる業界・企業にとって避けられない経営課題の一つであるDXですが、社内で取り組みが進まない企業は少なくないようです。
では、なぜDX化が進まないと、離職が発生するのでしょうか?
DX化の遅れが離職につながる理由
1. 業務効率の低下
DX化が進まないと、従業員は旧式のシステムや手作業に依存することになり、業務効率が低下します。これにより、日常業務が煩雑になり、ストレスが増加します。
2. キャリアの停滞感
デジタルスキルの向上や新しい技術の導入が進まない環境では、従業員は自身のキャリア成長が停滞していると感じることがあります。特に若手社員は、最新技術に触れる機会が少ないと感じると、他の企業への転職を考えるようになります。
3. 競争力の低下
DX化の遅れにより、市場での競争力が低下し、業績が悪化する可能性があります。従業員は将来の不安を感じ、安定した職場を求めて離職することがあります。
4. モチベーションの低下
DX化が進まない環境では、従業員のモチベーションが低下しやすくなります。新しい挑戦やイノベーションの機会が少ないと感じると、従業員は他の企業での新しい機会を求めるようになります。
DX離職が注目される背景
2018年に経済産業省が「DXレポート」で提示したキーワードに「2025年の崖」というキーワードがあります。これはDXを推進できず国際競争力を失う問題を指していて、2024年以降に大きな経済損失が発生すると予測されることから、「2025年の崖」と呼ばれました。
こうしたレポートが出て数年経っているものの、先日Colorkrew(東京都台東区)が発表したDX離職に関する調査では、職場でのDXの進行状況について「特に取り組んでいない(29.3%)という回答が最も多く、「すでにできている」と回答した人は6.1%にとどまりました。
また、DX化が進まないことで離職を考えると回答した人は、およそ3人に1人。会社に求めるDXは、「データやデジタル技術を活用して、より効率の良い業務プロセスへの改善」(23.9%)が1位という結果でした。
こうしたデータは世代間でギャップはあるものの、企業としては優秀な人材の離職を防ぐために取り組まなくてはならない課題となっています。
出典元:株式会社ColorKrew「2024年 働き方に関するアンケート調査」
なぜ企業のDX化は進まないのか
なぜDX化は進まないのでしょうか?理由を3つご紹介します。
1. 組織文化とリーダーシップの問題
DXは組織全体の変革を必要としますが、古い慣習やヒエラルキーの強さがDXの進展を妨げることがあります。誰かがリーダーシップを持って変革をリードしない場合、従業員は新しいアプローチを受け入れず、すでにある慣習や仕組みを使って業務を続けてしまいます。
2. リソース不足
DXには投資が必要です。しかし、予算やスキル不足、人材の不足などがDXプロジェクトの進行を遅らせる原因となります。特に中小企業ではリソースの制約が顕著です。
3. 変化への抵抗
DX化は既存のプロセスやワークフローを変更することを意味します。従業員は今までの慣れたやり方から離れて、新しいツールやプラットフォームに適応する必要があり、これに対する抵抗感がDX化の障害となります。
DX離職を阻止する3つの対応策
DX化を進めるためには、データやデジタル技術を活用して業務プロセスを効率化することが求められます。また、上記であげたDX化が進まない要因に対しての対応策としては以下の3点があげられます。
1. 従業員教育と意識改革
従業員にDXの重要性を理解させ、デジタルスキルを向上させるための教育プログラムを実施しましょう。DXのメリットや成功事例を共有し、従業員の意識を高めます。
2. DXプロジェクトの透明性と参加
DXプロジェクトの進捗状況や目標を従業員と共有し、彼らをプロジェクトに参加させましょう。フィードバックを収集し、改善点を進めることで従業員の協力を得られます。
3. 経営陣による旗振り
経営陣はDXの推進をリードする役割を担います。トップがDXに対するビジョンを示し、従業員が変化に適応していくために必要なサポートをすることで、DX離職を防ぐことにつながるでしょう。
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