オンボーディングとは?メリットや事例を紹介

オンボーディングとは

近年、新入社員の早期活躍や離職防止の観点で注目されているオンボーディング。この記事ではオンボーディングが注目されている背景やメリット、具体的な施策例をご紹介します。

オンボーディングとは?

オンボーディングは、「船や飛行機に乗っている」という意味の「on-board」から派生した言葉で、元々は飛行機が離陸して安定飛行に入るまで、乗客に慣れてもらうまでのプロセスを指します。

人事用語では、「新たに入社した方が、組織に慣れて戦力化するまでのプロセスやその期間のサポート」のことを「オンボーディング」や「オンボーディング施策」と言います。

オンボーディングが注目されている背景

オンボーディングが近年注目される背景には、何があるのでしょうか。2つの観点から紐解きます。

1. 人材の流動化

終身雇用は終わりを迎え、転職が当たり前の時代。優秀な人材を獲得する競争は、年々激しくなっています。人材の流動性が高まることで、組織を活性化させるなどのメリットがある半面、既存社員が流出してしまう可能性は高まっています。

また、新卒採用・中途採用を問わず、人手不足から採用要件を緩和している企業が増えています。特に中途採用では即戦力の採用が難しくなり、未経験・微経験の方を採用することで人材を確保しようとします。そのため、今まで以上に入社後の育成工数がかかり、配属先の受け入れ担当・上司の負担は増加していると言われています。

2. 働き方の変化

昨今では、働き方に対する多様な価値観を認める動きが広まっています。新型コロナウイルス感染症の流行もあり、選考から入社・業務に至るまで一度も会社に出社しないフルリモートで働く方も少なくありません。しかし、オンライン上のコミュニケーションだけで入社後の信頼関係を構築したり、業務を学んだりすることは難易度が非常に高いです。人によっては「上司からうまくサポートが受けられない」「会社に対する帰属意識が持ちにくい」といった悩みも生まれています。

このような背景から、入社後の人材をしっかりと定着させるために、オンボーディング施策に取り組む企業が増えています。

オンボーディング施策を行うメリット

オンボーディング期間に適切なサポートを行うことで、入社者だけでなく組織全体にも良い影響を与えることができます。オンボーディングを行うことによってもたらされるメリットをご紹介します。

新入社員や新たなメンバーが組織に参加した際に、早く組織の業務や文化に適応することができれば、組織全体の生産性向上に寄与でき、定着率も高まります。

1. 早期戦力化と生産性の向上

適切なオンボーディングによって、新入社員は社内のシステムは人間関係に素早く適応し、仕事を覚え、学び、成長することができます。新入社員ができるだけ早く成果を出すことで、組織全体の生産性向上に繋がります。

2. 早期離職の防止

早期離職の要因は、入社者が入社後に感じるギャップや人間関係だと言われています。これらの要因を解消するためにオンボーディングは有効です。例えば、1on1やメンター制度、パルスサーベイの実施など、入社者と定期的にコミュニケーションをとる機会を作ることで、彼らの不安や悩みを察知し、課題の芽を早期に摘むことができます。

3. エンゲージメントの向上

入社間もない新入社員が組織に慣れ、貢献することで、組織全体のエンゲージメントの向上に繋がります。

4. コスト削減

従業員の定着率が高まることで、離職損失金の削減に繋がります。離職損失金とは、採用経費や研修・育成工数などを計算した費用で、人材が離職することで企業にもたらされる損失です。

離職損失金

オンボーディング施策の具体例

オンボーディング施策として有効な具体例をご紹介します。

1. 入社時の導入研修

会社の基本的なルールやシステムの使い方、オフィスツアー、基本理念や評価制度・組織図など、働く上で必要な知識をインプットさせましょう。同期がいれば懇親会を行なったり、配属予定の部署メンバーの紹介を行い、組織に馴染めるよう支援します。

2. マネージャーと指導者のトレーニング

オンボーディングを成功させるためには、新入社員だけでなく、彼らを指導するリーダーの受け入れ方が適切である必要があります。マネジメントを担う役割の社員へは、入社者への接し方・受け入れ方や注意点などを研修等で伝え、新入社員を効果的にサポートできるような体制を作りましょう。

3. 定期的なフォロー体制の構築

入社者が組織に馴染み、成果を上げるようになるまでは一定の時間がかかります。その間に入社者が不安や悩みを抱えた際は、すぐに気づいてフォローできる体制を構築しておきましょう。定期的に面談やパルスサーベイを行う仕組みを作り、コンディションの変化を察知する。または、メンター制度や相談窓口を設置して何かあれば相談できる場所を作っておくことが効果的です。

オンボーディング事例

オンボーディングの取り組み事例をまとめました。

富士通コミュニケーションサービス株式会社

入社後1年間に最適化したアンケート設問で早期離職を防ぐ!
お客様先に常駐するスタッフのコンディション変化に寄り添うサービス

パナソニック システムソリューションズ ジャパン株式会社

入社者の早期活躍のためのサポート体制を強化!
年間100名を超える入社者をフォローする体制づくりのポイント。

ドクターリセラ株式会社

導入初年度から新人の定着率100%を実現!
リモートワークでも「見守られている安心感」を生み出すツール。

まとめ

オンボーディングに取り組むことは、入社者の定着率向上や離職防止だけなく、組織の生産性向上につながります。まずは直近の入社者や一部の部署から、取組みを始めてはいかがでしょうか?

エン・ジャパンでご支援できること

エン・ジャパンでは様々な企業のオンボーディング、早期活躍・定着支援を実現させてきました。導入事例や具体的な取り組みはもちろん、「何から始めればいいかわからない」といったご相談も歓迎です。詳細が気になる方は、ぜひお問合せくださいませ。

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この記事を書いた人

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